インド、ラマスラ・フォート

前回の記事から少し時間が経ってしまいました。インスタグラムの写真をご覧になったかもしれませんが、この4月、私たちはついに新居に引っ越しました。なので、ここ数ヶ月はとても忙しい日々を送っていたのです。ようやく少し落ち着き、以前からお伝えしたかった話をここで紹介できるのが嬉しいです。今回の記事は、昨年冬のインド旅行に遡ります。デリーからアグラ、ジャイプールまでの都市を結ぶ旅程で、もう少し田舎の場所にも立ち寄りたいと話したところ、地元をよく知るスカーレット・ニューデリーのスタッフが勧めてくれたのがこの場所です。

デリーからラマスラへの道は、快適には程遠いものでした。見る限り、車は私たちの乗る古びた自動車一台きりで、人々はそれ以外の乗り物を利用していました。それでも平原をまっすぐに切り裂くリボンのようなアスファルトは、インドの標準からすると快適な方なのでしょう。そして浮かんだもう一つの懸念は、もしかしたらラジャスタンは、聞いたほど田舎でないかもしれない、ということ。だから、次第に道が埃っぽくデコボコに変わっていった時、思わず笑みがこぼれました。ようやくここに辿り着いた、と。荒地に足を踏み入れ、冬のデリーのスモッグから脱出できたという思いが、私を高揚させていたのでしょう。ホテルは、湖を眼下に望む砦を改築したもの。砦の一部だけをホテルに変え、残りの部分は手つかずのまま、というと意外に思うかもしれません。確かに他の土地ならば奇妙に感じるでしょうが、ここは見ての通り、ロマンティックなムードに溢れています。

ここでは砦を探検すること自体が、楽しみの一つ。一見シンプルな四角形の建物には、周囲の美しい風景を眺める細い通路や階段が隠され、まるで迷路のようです。廃墟の部分には、色あせた天井画や彫刻が施されたバルコニー、ブーゲンビリアの生い茂る壁などが残っています。急激な都市の発展にも関わらず、数十年前までこの砦に人が住んでいたことを想像すると、インドの栄華には心底驚かされます(今もジャイプール出身のカーペット販売業者の家族が所有しており、砦の最上階に住居を構えています)。

私たちの部屋は、このような建物にしてはとても広く、またある種の厳格さを湛えていました。宮殿とは異なる、それは確かに砦というべきものでした。そして一番のお気に入りは何と言っても、テラスにつながる広々としたバスルーム。露天風呂とラウンジチェアからは、周囲の田園風景を眺めることができます。

砦の中庭には、温暖な季節に使用されるハンティングロッジ(狩猟小屋)風の豪華なテントが数張りあります。ラジャスタン州は自然保護区があることでも知られていて(昔よりも野生動物が減っているそうですが)、その中の一つが砦の近くにあります。

この手の小規模なホテルの良いところは、家庭料理のような食事が楽しめること。残念なところは、食べきれないくらいたくさんの料理が出てくるので、いつも食べ過ぎてしまうこと!この地方について聞いていたのとは対照的に、このホテルの行き届いた細やかなサービスと気配りは、嬉しい驚きでした。

食材の新鮮さは、砦のふもとにある大きな菜園のおかげ。湖が近いため、ラジャスタンの乾燥した土地でも作物が育つのです。美しい菜園を眺めながらの散策は、素晴らしい思い出となりました。

砦のすぐ隣には、湖に面したラマスラの村があります。散策を希望すれば、ホテルのスタッフが同行してくれます。インドは急速に近代化しているように見えますが、そのスピードに追いついていないところもあることを忘れてはいけません。質素ではありますが、この村は素晴らしい美を湛え、人々は好奇心と親切心にあふれています。カメラを構えると、誰もが喜んでポーズを決めてくれました。

インドの田園地帯を体験したければ、ラマスラ・フォートは間違いなく訪れる価値があります。もしかすると、インドのお気に入りの場所になるかもしれません。インドの都市には素晴らしい驚き(文字通りの意味で)がたくさんありますが、荒れている場所が多いことも事実。また、田舎は私たちが考えるよりもアクセスの悪い場合があります。デリーからの道中、私たちがしたようにファテープル・シクリ城に立ち寄ることをお勧めします。人が少なく、夢に描いた憧れのインドを実感できるでしょう。